ウイスキー　新）YUZA　2024　バーボン樽熟成　シングルモルト　51％　700ｍｌ

遊佐蒸溜所のハウススタイルの“原点”ともいえるシングルモルト・ジャパニーズウイスキーを、今年もお届けいたします。原酒は、バーボン樽で熟成したものから厳選。クリーンでフルーティな味わいと、バニラのような甘い風味が特徴です。

熟成により厚みを増して進化した“YUZA 2024”。遊佐蒸溜所の“定番”として、ご賞味ください。



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遊佐蒸溜所を運営する株式会社金龍は、山形県庄内地区の日本酒の酒蔵9社で共同経営する蒸留酒製造の会社だ。高度成長期以降の日本酒の需要に対し、醸造用アルコールの生産を担った歴史がある。やがて日本人は、日本酒だけでなく、ビールやワイン他も嗜むようになり、醸造用アルコールも減産の道を辿った。その後、一度目の変革は、焼酎メーカーになること。甲類焼酎"爽やか金龍"は、着実に山形県民に浸透していった。驚く事に、2000年台初頭の芋焼酎ブームでも、山形県民は爽やか金龍を飲み続け、ブームに乗らなかった。同様に、はやりすたりのある日本酒の世界でも、十四代など山形県産酒は、飽きられることなく、そのブランド力も落ちない。想像でしかないが、厳しく長い冬の過酷な環境に加え、庄内の中心地である商業都市＝酒田商人のDNAには、目先のブームに惑わされたりせず、またおしんの如く、少々のことではへこたれず完遂するまでやり抜く気概が備わっているように想う。

さて、数十年後に迎えた二度目の変革。ウイスキー事業への参入だ。元々は菊勇という酒蔵の社長であった現在の金龍社長＝佐々木雅晴氏は、菊勇の経営を後継者に任せ、金龍に転籍する。当初は代表取締役ではなかったが、ウイスキー事業への参入を取締役会に提案した。しかし、慎重な庄内の酒蔵のご歴々は、簡単には首を縦に振らなかった。時を経て、佐々木氏は代表取締役となった。改めて、ウイスキー事業への参入を掲げると、周囲からは、「ブームに頼ってウイスキーを作るようでは、やがて破綻する」と問われ、こう答える。「世界最高品質のウイスキー作りを目指す」と。

イベントにも滅多に顔を見せない、今年71歳の御大からは、若輩者の私など、教わる事ばかりだ。一方で、いざ話し始めると、冗談を飛ばしたり、大笑いしたりと茶目っ気を見せる。剣道の達人でもある佐々木氏には、武士道の精神が宿っている。ウイスキーなら儲かりそうだと参入してくる会社が多い中、ストイックな酒田商人の一挙手一投足を今後も皆様と追いかけてみたい。菊勇の酒蔵には「三十六人衆」というブランドがあるが、佐々木氏は私にとって、37人目の酒田衆になるに違いない。　【CLAUDE WHISKY】代表　井上祐伺


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